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ブラウザだけで動画圧縮はどこまで実用か? 実測レポート

アップロード不要で動画を圧縮できる時代になりました。WebCodecs を使ったブラウザ内圧縮が実際どれくらいの速度・精度で動くのか、720p・1080p の動画で実測した結果をまとめます。従来のアップロード型サービスとの違いや、制限事項も正直に解説します。

公開: 2026年7月7日更新: 2026年7月16日読了 約7TegaruTools

動画の圧縮といえば、これまでは「ファイルをサービスにアップロード → サーバーで変換 → ダウンロード」という流れが当たり前でした。ところが近年のブラウザには WebCodecs という動画のエンコード機能が備わり、アップロードなしで、端末の中だけで動画を圧縮できるようになりました。

とはいえ「ブラウザで動画圧縮なんて、遅くて実用にならないのでは?」という疑問は当然あります。そこで、実際にどれくらいの速度と精度で動くのかを測ってみました。この記事はその実測レポートです。

測定した環境と方法

条件をそろえるため、次の環境で測定しています。数値は環境によって変わるため、あくまで一例としてご覧ください。

  • ブラウザ:Google Chrome(ハードウェアエンコード有効)
  • OS:Windows 11 デスクトップ環境
  • 測定時期:2026年6月
  • 方式:WebCodecs による H.264 再エンコード(映像)。同じ動画を3回処理し、その中央値を採用

圧縮は「目標のファイルサイズ」を指定し、そこから逆算したビットレートで再エンコードする方式です。これは 動画圧縮ツール で実際に使っている仕組みと同じです。

動画圧縮ツールの操作画面。1280×720pxの動画を読み込み、目標サイズ(10MBを選択)と解像度の自動調整といった圧縮設定が表示されている
動画圧縮ツールに動画を読み込み、目標サイズを指定している画面。

実測1:処理速度は「実時間の6〜13倍速」

まず気になる処理速度です。「動画の長さに対して、何倍の速さで圧縮が終わるか」で見ると、次の結果になりました。

解像度処理速度(実時間比)30秒の動画の目安
720p約 13倍速約 2.3秒で完了
1080p(フルHD)約 6.2倍速約 4.8秒で完了

720p なら実時間の約13倍、1080p でも約6倍の速さで圧縮できました。30秒の動画が数秒で終わる計算です。ハードウェアエンコードが効く環境では、体感で「待たされる」ほどの時間はかかりません。解像度が上がるほど処理する画素が増えるため、1080p は 720p より遅くなります。

実測2:目標サイズの精度は「誤差±2%程度」

「10MBに圧縮」と指定して、本当に10MB付近に収まるのか。これも重要なポイントです。目標サイズに対する実際の出力サイズの誤差を測ったところ、−0.6%〜+2.1% の範囲に収まりました。

たとえば10MBを目標にすると、おおむね 9.9MB〜10.2MB あたりに着地する精度です。メール添付の上限やアップロードのサイズ制限に合わせたいとき、狙ったサイズにきちんと収められることが分かります。ビットレートから逆算する方式のため、極端に短い動画では誤差がやや大きく出ることがあります。

実測3:メモリ使用は入力の3〜4倍程度

ブラウザ内処理で心配なのがメモリです。30MB の動画を処理したときのメモリ使用量は 約102MB でした。入力の3〜4倍程度に収まっており、一般的な端末で問題になる水準ではありません。

ただし、非常に長い動画や高解像度の素材では使用量が増えます。数百MB〜GB級の動画を扱う場合は、端末の余裕を見ておくと安心です。

アップロード型サービスと何が違うのか

ブラウザ内圧縮の利点は、速度だけではありません。従来のアップロード型サービスと比べると、性質そのものが違います。

観点ブラウザ内圧縮アップロード型サービス
ファイルの送信端末内のみ・送信なしサーバーへ送信
待ち時間アップロード/ダウンロード不要回線速度に依存
プライバシー外部に出ない第三者サーバーを経由
処理速度の決まり方端末の性能に依存サーバーの混雑に依存

特にプライバシーの差は大きなポイントです。会議の録画や家族の動画のように「外に出したくないファイル」を、そもそもアップロードせずに圧縮できます。回線が細い環境でも、大きな動画を送受信する待ち時間が発生しません。

正直な制限事項

いいことばかりではありません。ブラウザ内圧縮には、いまのところ次のような制限があります。導入前に知っておきましょう。

  • 対応ブラウザ:WebCodecs に対応した新しめのブラウザが必要です。PC・スマホの主要ブラウザで動きますが、モバイルの Firefox など一部の環境では音声の再エンコードに制限があります。
  • HEVC(H.265)の入力:iPhone の一部設定で撮影した HEVC 形式は、ブラウザ側がデコードに対応していないと読み込めないことがあります。その場合は端末側の設定を「互換性優先」にして撮影・書き出しすると回避できます。
  • ファイルサイズの上限:ブラウザのメモリの都合上、極端に大きなファイル(数GB級)には向きません。目安として2GB程度までを想定するのが無難です。
  • 再エンコードによる画質低下:圧縮は映像を作り直す処理なので、元より画質は下がります。目標サイズを小さくしすぎると、当然ながら粗くなります。

まとめ:どんなときに向いているか

実測してみると、ブラウザ内の動画圧縮は「速度・精度ともに実用レベル」でした。特に次のような場面で力を発揮します。

  • メールやチャットのサイズ制限に合わせて、動画を手早く小さくしたいとき
  • アップロードしたくない・させたくないプライベートな動画を圧縮したいとき
  • 回線が細く、大きな動画の送受信を避けたいとき

実際に試すには、 動画圧縮ツール をどうぞ。目標サイズや解像度を指定するだけで、動画を端末の外に出さずに圧縮できます。画像やPDFを小さくしたい場合は 画像圧縮PDF圧縮 も同じくブラウザ完結で使えます。

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